59才を迎えました

天使の皆さん

青空に恵まれたパーティーの当日、皆でいっせいに上げた風船は、風に乗って海の方へ流れていきました。エドワーダは、ピンクのガウンに包まれ、訪問客からのお祝いの言葉を、ひとりひとりから受けていました。おめでとう、エドワーダ。昏睡状態になってから、42年の歳月が流れています。エドワーダの状態は、少しずつですが、快方にむかっていて、血糖値のアップダウンの幅も小さくなっています。皆様からの祈りと、聖母マリア様のご加護と信じています。本当にどうもありがとうございます。


パーティーが迫った木曜日、母のケイが若い頃に愛用していた香水が、エドワーダの部屋じゅうに漂いました。その香りはむせるほどの強さで、明らかに母ケイの存在を感じました。香水のビンが壊れてしまったのかと思って、バスルームへ確かめに行くと、そんなことはなく、とても不思議でした。母は、お祝いにかけつけてくれたのでしょうか。私が変わらず、パーティーを開くことを喜んでくれているのでしょうか。それとも、私の介護疲れを案じて、励ましにきてくれたのでしょうか。


エドワーダの介護は、確かにとてもきつい毎日です。熟睡もできませんし、旅行もできませんし、買い物に行く時間も不安です。もしできることなら、たった2日でいいから「何もしない休日」が欲しいです。母の死後、泣くことすらできていない私です。しかし、エドワーダは私の生きる糧なのです。エドワーダがいるから、私は生きていけます。母に祈りました。「どうかエドワーダを連れていかないでください」。香水の香りは、翌金曜日にはすっかり消えていました。


来年の誕生日が来たら、エドワーダは60才になります。サリーから、日本では「還暦」と言い、お祝いに赤い物を身につけることが慣習だと聞きました。来年の誕生日にエドワーダが着る赤いガウンを決め、サリーに見せると、「素敵」と言ってくれましたよ。今年来られなかった皆様、来年は盛大なパーティーを予定しておりますので、どうぞご計画ください。


いつも皆様のことを心に想っています。お逢いできますことを、エドワーダ共々楽しみにしています。いつもありがとう。


神のご加護がありますように。
聖母マリア様の御指に。

コリーン・オバラ